初仕事

 年が明けてすぐに、仕事は始めている。工具の工夫・改良やら、実際に掘ってみての手応えなど実際にフィールドに出て仕事は続けていた。依頼主宅での井戸掘りは今年初めて3月末に着手した。昨年、早くから相談を受けたところである。600坪ほどある土地に大きな家と10台は楽に駐めることができる。野菜作りの場所もある。

 3月末に掘る場所を決め、作業に取りかかると、大きな石を含む山土の埋め立てであった。作業がし易いように大きな穴を手彫りで掘った。午前中一杯かかって畑土の層へ。ここからは、水圧で順調に掘っていくことができた。以前家を建てるときの行われた地質調査で約12m掘れば含水層があることはわかっていた。

 難作業の末、瓦礫層を突き抜けることができた。畑土になったので水圧で掘り進む。砂は出てくれど、豊かな含水層にはあたらない。数日かけて、掘った。だけど、地質調査の場所は井戸掘りの場所とは10m離れている。残念ながら、豊かな水脈には当たらなかった。協議の結果、現在掘っている所から5m離れた場所で、再度掘ってみることになった。ここでは、浅いところに豊かな水が出るではないか。残念ながら鉄分を含んだ水である。大きな庭に散水するには役立つ。

 震災を考えれば、手動ポンプがいい。ここはあまりにも広すぎる。電動でなければとても日頃使うには大変である。依頼主の子息が、震災時は発電機で対応するとのことであった。比較的難工事であったが、無事水脈を掘り当てることができた。