ガチャポン

 東海地震という呼称が使われなくなった。南海トラフを中心とする巨大連動地震の怖れがある。被災者は飲み水だけでなく、洗濯物などの生活用水も多量に必要とする。飲料水としては長期保存の水がある。

 日本の中心部で巨大地震が発生したら、物流はおろか、救援もままならない。水の確保は相当量必要とすることは間違いない。後片付けの後、手を洗う水も欲しい。体も拭きたい。飲めない水でも、きれいであれば使える。

 東北地方の震災で、井戸水が役立ている写真が新聞に掲載された。我々NPOおたすけへの井戸の注文は電動ポンプから手動ポンプへとシフトしている。最近は手動ポンプばかりである。我が市は一部を除いて、多量の水を簡単に汲み上げることができる。手動ポンプ(通称ガチャポン)で容易に吸水できる。逆に、液状化現象が怖いほどである。

 暑い最中でも、注文がある。だが、完成するものはどれも同じ。知人から皆同じ写真だろうと非難を受ける。確かに写真を見る限り大差はない。でも、我々には苦労して堀り、水脈に当たった喜びは皆違う。一つ一つ違っているのだ。