防災水利

 北名古屋市の旧西春町地域には各避難場所に、防火用水とは別の「防災水利」がある。これは、阪神大震災の水の大切さから、飲料水と生活用水は別であるとの考え方が必要と痛切に感じた。井戸を掘り、作ったものである。
 
 避難所で飲料水まで洗濯やトイレの水に使っていたら、給水車の仕事が大変になる。安全第1の飲料水は一刻も早く、十分な量を届けたい。生活用水まで運ぶのは大変。飲料水には適さないが、洗濯や、トイレの水なら十分使える生活用水が、避難所の中にあれば、避難者の生活は楽になる。疲労はどれほど軽減できるであろうか。

 幸い、町内の井戸はどこも水量が豊富である。消火ホースをつないでポンプで汲み上げれば、消火にも十分使用できるものである。尾張地区の防災リーダー会で見学済みである。一宮市在住の消防隊員の自宅にも掘ってある。ここも凄い水量であった。消火に十分役立つ。

 防火用水での消防訓練は、水道水が汚濁してしまい、一般市民から苦情が出る。だが、井戸水の「防火水利」からの消火訓練での放水は、水道への汚濁は何ら心配ない。現在、防災面から、市内の2つの駅前周辺にも必要と考えている。